“撮り直し”連発から本物の一体感 KARAも出演、K-POP番組を日本で収録 [KARA]
日本でも人気が上昇し続けている韓国のポップミュージック「K-POP」。好きなアーティストを追って韓国を訪ねるファンは多いが、日本に居ながらK-POP番組の収録を楽しめるチャンスもある。15日にCSで放送が開始される「JJ’S Mstudio」は、K-POPを日本で収録する新機軸の番組だ。その撮影現場を訪れると、何度も撮り直しを行う中で韓流スターと日本人ファンが一体感を増す、意外な盛り上がりに包まれていた。(産経デジタル 堀川亮子)
今月1日に東京都内で行われた公開収録には、人気絶頂の女性5人組「KARA」が出演。客席には、アジアファッション雑誌「Asian cool MAGAZINE」の年間購読者や、KARAら番組出演者のファンクラブ会員ら約600人が詰め掛けた。
ファンは30~50代の女性が中心で、男性は20~30人程度。KARAのファンといえば天才子役の芦田愛菜ちゃん(7つ)が有名だが、会場には親に連れられた小学生や幼稚園児の姿もあった。
まずは番組ディレクターがステージに登場。KARAを招き入れる際に、客席に向かって「全員立っちゃいましょう。スタンディング、スタンディング」と呼びかけた。
KARAの5人は水色と白の爽やかな衣装で登場し、「よろしくお願いします」と元気に挨拶。客席から、すかさず「かわいい!」と歓声が上がった。1曲目の「GO GO サマー!」が始まると、ファンは手拍子を鳴らし、持参したペンライトを振って楽しんだ。
しかし、曲が終わると、ディレクターは「もう1回歌っていただきます」とダメ出し。観客にも「みなさん、10倍元気よくお願いします!」と遠慮なく注文を出した。思いがけない展開に、客席からは失笑も聞かれた。
とはいえ、2回目の「GO GO サマー!」は、会場のテンションがさらに上昇。KARAの熱唱に対し、客席の手拍子がきれいにまとまり、声援も一段と大きい。韓国の音楽番組でみられる“ファンの盛り上がりっぷり”は、こうして作られるのか…と感心してしまった。
続いて、MCをつとめる俳優兼ソロ歌手のJohn-Hoon(キム・ジョンフン、31)と、ボーカルグループ「sg WANNA BE+」のメインボーカル、キム・ジノ(25)がステージに登場。が、ここでもMCの登場場面から撮り直すことに。2度目の歓声は明らかに“作られたもの”だったが、MCはうまく進行し、撮影には「OK」が出た。
KARAが次の曲「Honey」を披露する際には、ディレクターが観客に向って「ここは飛び跳ねながら聞いてください。がんばってくださいね」と細かく指示。それでも、この曲もまた撮り直すことに…。一体、どれだけ演出するの? ディレクターは「会場のみなさん、手を上げて元気よく! 手があがっていると、盛り上がっているように見えます」と、どこまでもステージの“見栄え”を追求する。
そんなディレクターの努力が、やがてステージの一体感となって現れた。
「Honey」では、イントロ部分で男性ファンの野太いエールが入るが、この日の公開収録は客層が女性中心。1回目は、男性の声も小さかった。しかし2回目、なぜか野太い声援が2倍に聞こえる。拍手もきれいに揃い、迫力は倍増。すごいぞ、ディレクター!
KARAも、歌い終わると「みなさん楽しいですか」「盛り上がっていますか」と気さくに呼びかけ、その気配りからファンの親近感はどんどん高まっていく。
3曲目の「ジェットコースターラブ」も、「ちょっと間違えちゃって、もう1回しま~す」と歌い直すKARA。着替えのためにいったんステージを降りると、こんどは“盛り上げ上手”なディレクターがお願い攻勢を仕掛ける。
「後ろのみなさん、そこがわぁっとなると、『あぁ、盛り上がっているな』と見えます。重要なポジションなのでよろしくお願いします」。ディレクターの呼びかけに、観客は大爆笑に包まれた。
撮影が佳境に入ったころ、John-HoonとKARAのリーダー、ギュリ(23)がデュエットを披露した。曲は映画「アラジン」のテーマ「ホール・ニュー・ワールド」。2人が熱唱する美しいバラードは、聴き応えがある。
が、途中で掛け合いが上手くいかず、撮影は「もう1回」。ディレクターはすかさず「初めて聞くような顔でお願いします」と注文した。“初めての感動”を演技しなくてはならない観客も大変だ。
こうして撮り直しの連続となった公開収録だが、何度も楽曲を聴けた観客の満足感は高かった。会場は、ステージと客席の距離が近く、ライブ以上にアーティストの存在を身近に感じられた。
「JJ’S Mstudio」はMnetで毎週月曜午後8時から。今回の収録分は、9月12日から4回にわたって放送される。9月にも公開収録を行なう予定だ(ゲストは未定)。日本でK-POPの一体感を感じられる貴重な機会を、あなたもぜひ体験してみては?
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